小核試験の自動判定 ～自動解析サービスとして提供中～

課題

小核試験は染色体異常による毒性（遺伝毒性）を評価する試験の一つです。主にがんや遺伝病等のリスクを調べるために実施される試験で、被験物質を投与した細胞群における小核（染色体異常が生じた結果、細胞分裂時に取り込まれなかった染色体の断片)の発生率を評価します。従来の小核試験では、実験者が顕微鏡で目視観察し、細胞一つひとつの評価を行っていました。作業負荷が大きいことや、実験者が異なると同じ標本でも試験結果にばらつきが生じうることが課題となっていました。

エルピクセルのAI技術概要と期待される効果

当社の小核試験自動判定技術では深層学習を活用し、熟練実験者の評価基準を学習したAIが標本画像を解析し、評価結果のレポートを提供します。以下の2段階により、試験結果を自動判定します。AI解析は小核有無分類精度97.3%を達成しており、熟練者による目視観察との高い相関を確認しています。

全細胞を個別に自動認識する

検出した細胞の小核発生有無を判定し、小核発生率を定量化する

対応可能試験：メイギムザ染色、アクリジンオレンジ染色（その他も応相談）
当社では上記技術を「小核試験自動解析サービス」として展開し、製薬・CROの他、食品関連・化粧品等の複数企業での利用実績がございます。

＜公表実績＞
日本環境変異原ゲノム学会研究会「深層学習を用いたin vitro小核試験標本の自動観察技術の検証」（武田薬品工業株式会社との共同発表・2021年）
第49回毒性学会ポスター発表“Examination of automated micronucleus observatio n using AI based image analysis”（株式会社資生堂との共同発表・2022年）
第52回毒性学会ポスター発表“Investigation of automated analysis of micronucleus tests using a three-dimensional human epidermis model with AI-based analysis”（株式会社資生堂との共同発表・2025年）