IMACELの支援事例
Support Case#04
ライトシート顕微鏡画像解析の自動化 ~脳領域自動セグメンテーションおよび血管周辺環境の解析効率化~
課題
ライトシート顕微鏡を用いたイメージング技術はマウス脳全体の可視化や、脳内標的物質の三次元分布観察を可能とし、細胞分解能での脳内の薬物分布解析において有用な手法と考えられています。しかし、ライトシート顕微鏡で撮像された三次元脳イメージング画像はデータ量が多く、蛍光強度が不均一であるため、画像データ解析技術に課題がありました。特に広範囲の蛍光画像に対して血管構造を人為的に抽出することは時間がかかるので、自動的に抽出する必要がありますが、従来の輝度による閾値法だけでは正確に血管構造を抽出することが不可能でした。
エルピクセルのAI技術概要と期待される効果
当社と第一三共株式会社は機械学習による血管抽出手法を三次元ライトシート顕微鏡画像に適用し、マウス脳全体において蛍光標識された血管構造を解析する手法を確立しました。また上記画像から脳領域を自動でセグメント化し、領域毎に血管の特徴を解析する手法を確立しました。さらに血管と核の距離など、血管周囲の環境を三次元的に解析する手法にも取り組んでいます。これにより将来的には蛍光標識した薬剤の詳細な分布解析が可能となり、従来手法による解析では見いだせなかった作用機序の発見が期待されます。

2. Wang X et al. (2021). Bi-channel image registration and deep-learning segmentation (BIRDS) for efficient, versatile 3D mapping of mouse brain. Elife Jan 18;10:e63455. doi: 10.7554/eLife.63455 を解析に利用
<公表実績>
SOCIETY for NEUROSCIENCE’s Neuroscience 2023 “Vascular Network Analysis across the Whole Mouse Brain via Light-sheet Microscopy and AI-Based Image Analysis”(第一三共株式会社との共同発表・2023年)

2. Wang X et al. (2021). Bi-channel image registration and deep-learning segmentation (BIRDS) for efficient, versatile 3D mapping of mouse brain. Elife Jan 18;10:e63455. doi: 10.7554/eLife.63455 を解析に利用
<公表実績>
SOCIETY for NEUROSCIENCE’s Neuroscience 2023 “Vascular Network Analysis across the Whole Mouse Brain via Light-sheet Microscopy and AI-Based Image Analysis”(第一三共株式会社との共同発表・2023年)
Support Case#01
Phenotypic Screening
~細胞形態解析による新規候補化合物の探索~
Support Case#02
蛍光多重免疫染色画像解析の自動化
~抗がん剤開発研究やがん微小環境における空間解析への応用~
Support Case#03
病理標本解析での画像解析AI活用
~正常/異常のスクリーニングやバーチャル染色~
Support Case#04
ライトシート顕微鏡画像解析の自動化
~脳領域自動セグメンテーションおよび血管周辺環境の解析効率化~
Support Case#05
AIを活用した新たな動物行動解析
~従来評価を超える特徴発見や精緻な定量評価~
Support Case#06
小核試験の自動判定
~自動解析サービスとして提供中~
Support Case#07
染色体異常検出の自動化
~放射線事故後の線量評価や遺伝毒性試験への応用~
Support Case#08
凍結乾燥工程における氷晶解析
~AIを活用した製造工程最適化検討~
Support Case#09
ラボオートメーション支援
~自動中量合成実験装置への画像解析AI搭載~