凍結乾燥工程における氷晶解析～AIを活用した製造工程最適化検討～

課題

バイオロジクス医薬品にしばしば使われる凍結乾燥工程のうち、アニーリング（凍結乾燥工程のうち、凍結工程後にいったん温度を少し上げて保持し、再度温度を下げて完全に凍結させるステップを追加する工程。製剤中の氷晶成長が促進され、均一化される。）による氷晶成長は、医薬品の優れた外観、高い輸送耐性、均一な品質の製剤を製造するための重要なプロセスです。氷晶成長の最適化のために氷晶画像観察が重要となりますが、アニーリング時の全ての氷晶を目視観察するには長時間を要することに加えて、解析者による評価ばらつきも生じます。重なり合う氷晶を個別に検出し、時系列で氷晶の数・面積を定量的に評価することが困難でした。

エルピクセルのAI技術概要と期待される効果

当社の画像解析AI技術を活用し、重なり合う氷晶を分離して検出し、個々の氷晶の数および面積を定量化可能としました。これにより氷晶成長工程の解析が自動化され、解析時間の大幅な短縮を実現しました。この技術はADC（抗体薬物複合体：Antibody-drug conjugate）や抗体医薬品の製造工程最適化検討への活用が期待されています。